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就業規則作成のいろは
就業規則を作成するときは「就業規則は何のために作成するのだろう?」、「就業規則を作成するときのポイントは何だろう?」、「当社にはどのような就業規則が必要なのだろう?」といった疑問が生じるものです。就業規則の作成者にとってこれは悩ましい問題です。

しかし、私は、就業規則を作成するときはご担当の方に前述の疑問をお持ち頂きたいと考えます。なぜなら、そのような疑問を持たずに作成した就業規則は、会社の実態を考慮しておらず「絵に描いた餅」となることが多いからです。

では、就業規則を絵に描いた餅にしないためにはどうすればよいのでしょうか。参考までに「就業規則作成のいろは」を掲載しますので、私と一緒に考えてみませんか。
≪ 就業規則作成のいろは≫
1. 就業規則って何でしょうか? お気軽にご相談ください。
2. 就業規則がないとどうなるのでしょうか?
3. 就業規則は、必ず作成しなければならないのでしょうか?
4. 就業規則にはどのようなことを定めればよいのでしょうか?
5. 就業規則にはどのようなことを定めてもよいのでしょうか?
6. 就業規則の効力はいつ発生するのでしょうか?
7. 就業規則はどこに届け出ればよいのでしょうか?
8. 就業規則は会社に1つあればよいのでしょうか?
9. 就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 採用に関すること 】
10. 就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 異動に関すること 】
11. 就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 休職に関すること 】
12. 就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 服務規律に関すること 】
13. 就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 賃金に関すること 】
14. 就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 退職手当に関すること 】
15. 就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 労働時間に関すること 】
16. 就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 休日や休暇に関すること 】
17. 就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 定年や退職に関すること 】
18. 就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 解雇に関すること 】
19. 就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 制裁に関すること 】
就業規則って何でしょうか?
就業規則とは、その会社のルールを定めた規定集のことをいいます。会社は、「事業の目的」を達成するために活動をしています。そして、会社にはその目的を達成するために従業員が守らなければならないルールが存在します。そのルールを定めたものが就業規則なのです。したがって、就業規則を作成するときは、企業理念や従業員の行動方針・行動指針といったものも定める必要があります。
就業規則がないとどうなるのでしょうか?
就業規則がないと職場の規律が乱れます。就業規則がないということは「職場に守るべきルールがない」ということです。つまり、「何時に出社してもよい」、「何時に退社してもよい」ということを会社が宣言していることになります。当然のことながら反社会的な行為(横領等)をしても罰(懲戒)を与えないということを宣言していることにもなります。

このような状況で従業員のやる気は向上するでしょうか、生産性は向上するでしょうか。答えはもちろん「向上しない」です。そのような状況に陥らないためにも、従業員が守るべきルールは就業規則として明文化する必要があるのです。
就業規則は、必ず作成しなければならないのでしょうか?
就業規則は、常時10人以上の従業員を使用する事業所に作成が義務付けられています。言い方を変えると常時使用する従業員の数が10人未満の事業所には、法律上は就業規則の作成義務はないのです。しかし、法律上の作成義務がないからといって就業規則を作成しないのは考えものです。会社のルールを従業員に守らせ職場の規律を高めるためには、小規模の事業所であっても就業規則は作成するべきでしょう。
就業規則にはどのようなことを定めればよいのでしょうか?
就業規則に定める事項には、絶対に定めなければならない事項(絶対的必要記載事項)と会社にルールがある場合には定めなければならない事項(相対的必要記載事項)があります。絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項の内訳は以下のとおりです。

【 絶対的必要記載事項 】
(1) 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇に関する事項
(2) 従業員を2組以上に分けて交替に就業させることがあるときは、その就業の転換に関する事項
(3) 賃金(ボーナスや退職手当は除きます。)の決定、計算及び支払いの方法に関する事項
(4) 賃金(ボーナスや退職手当は除きます。)の締切り及び支払いの時期に関する事項
(5) 昇給に関する事項
(6) 退職に関する事項
(7) 解雇の事由に関する事項

【 相対的必要記載事項 】
(1) 退職手当を支給する場合は、以下の項目に関する事項
 ・退職手当を支給する従業員の範囲
 ・退職手当の決定、計算及び支払いの方法に関する事項
 ・退職手当の支払いの時期に関する事項
(2) ボーナス等を支払う場合においては、これに関する事項
(3) 最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
(4) 従業員に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
(5) 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
(6) 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
(7) 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
(8) 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
(9) 上記のほか、すべての従業員に適用される定めをする場合においては、それに関する事項(休職規定や旅費規定等が該当します。)
就業規則にはどのようなことを定めてもよいのでしょうか?
就業規則には、どのような事項を定めても差し支えありません。従業員が守るべきルールについては、可能な限り就業規則に記載するのがよいでしょう。ただし、就業規則に記載した内容が法律に違反したり、公序良俗に反すると認められるときは、その事項については無効となります。
就業規則の効力はいつ発生するのでしょうか?
就業規則の効力は、その内容を従業員に周知したときに発生します。周知とは「広く知らせる」という意味ですので、会社には「就業規則を自由に閲覧できる状態にする」、「就業規則を配布する」などの対応が求められます。

初めて就業規則を作成したときは、就業規則についての説明会等を開催するなどして従業員が遵守すべき事項について補足の説明をすることが望まれます。
就業規則はどこに届け出ればよいのでしょうか?
就業規則は、会社の所在地を管轄する労働基準監督署長に届け出ます。就業規則を労働基準監督署長に届け出るときは、従業員の過半数を代表する者の意見書を添付します。

なお、就業規則に添付するのは意見書ですので、就業規則の内容について従業員の過半数を代表する者の同意を得る必要はありません。意見書に反対意見があっても届け出た就業規則は受理されます。
就業規則は会社に1つあればよいのでしょうか?
就業規則は、会社に1つあればよいというものではありません。たとえば正社員、契約社員、嘱託社員というように複数の社員区分があるときは、その区分に応じた労働条件が存在します。この場合は、社員の区分ごとに就業規則が必要となります。

仮に正社員、契約社員、嘱託社員という3つの社員区分があるにもかかわらず、正社員用の就業規則しか備え付けていないときは、すべての社員が正社員用の就業規則の適用を受けることになります。
就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 採用に関すること 】
(1) 採用試験の内容は通常はその都度変わりますので、採用試験に関する具体的内容は就業規則には記載しないほうがよいでしょう。就業規則に採用試験に関する具体的な内容を盛り込んでしまうと、それ以外の方法による採用試験は行えなくなるからです。就業規則においては「採用試験は、筆記試験及び面接試験により行う」と記載する程度でよいでしょう。

(2) 提出書類は、「採用試験に応募するとき」と「採用するとき」に分けて記載して下さい。また、採用するときに提出すべき書類を提出しないときは、採用を取り消す旨を定めて下さい。
就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 異動に関すること 】
(1) 異動(出向は除く。)は、業務命令により行うことを明記して下さい。異動について従業員の同意を要件としてしまうと、従業員の同意を得ない限り異動命令を発することができなくなるからです。

(2) 異動(出向は除く。)に係る命令は拒否できない旨を定めて下さい。異動は業務の必要に応じて行うものです。したがって、従業員の都合による拒否権を認めるのは好ましくありません。ただし、家族の介護など特段の事情があるときは、画一的な処理をすることなく十分な配慮をする必要があります。
就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 休職に関すること 】
(1) 私傷病により休職する者については、休職をするときも復職をするときも医師の診断書を提出する旨を定めて下さい。また、従業員は必要に応じて会社が指定する医師の診断を受ける旨を定めて下さい。これらの書類は、会社が休職や復職の判断をするときに必要なものだからです。

(2) 休職期間中の賃金の支払い、ボーナスや退職手当の計算に関する取扱いは必ず定めて下さい。
就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 服務規律に関すること 】
(1) 服務規律には、職場の風紀を維持するために必要な事項をすべて盛り込んで下さい。みだしなみや仕事に取り組む姿勢等、一般的には常識と思えることであっても記載する必要があります。

(2) 服務規律として記載した事項のみならず、会社が発した通知、通達についても守る旨を明示して下さい。従業員が守るべき事項は、諸事情の変化により就業規則を作成した後に通知することがあるからです。
就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 賃金に関すること 】
(1) 基本給は、無理をして高い額とするのではなく、支払い可能な額として下さい。会社は従業員に係る社会保険料の一部を負担したり、時間外労働に係る割増賃金を支払わなければなりません。基本給の額は、これらの費用も考慮して決定して下さい。

(2) 諸手当(家族手当や通勤交通費等)を支給するときは、受給要件を確認できる書類の提出を義務づけて下さい。不正受給を防止するためには、このような対応が必要となります。
就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 退職手当に関すること 】
(1) 退職手当を支払う資金がないときは、退職手当に関する規定は無理して定めないで下さい。退職手当の支払いは、法律上の義務ではないからです。

(2) 退職手当を支払うときは、一時金払いと年金払いとを併用するようにして下さい。全額を一時金とすると退職手当の支払いが困難となるケースがあるからです。
就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 労働時間に関すること 】
(1) 所定労働時間は、法定労働時間(1日で8時間、1週間で40時間)を超えない範囲で決定して下さい。法定労働時間を超えて労働させる必要があるときは、36協定を締結して労働させる旨を定めて下さい。

(2) 所定労働時間を超える労働(いわゆる「残業」)は、会社の命令により行う旨を定めて下さい。労働時間の管理は会社が行うものですから、残業をする、しないの判断は会社がしなければなりません。
.就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 休日や休暇に関すること 】
(1) 休日は、会社の体力に合わせて設定して下さい。法律上は、休日は1週間に1日与えればよいものとされていますので、これを上回る休日は会社の体力に合わせて決定して下さい。また、休日を決定するときは、年次有給休暇の取り扱いも考慮するようにして下さい。

(2) 「休日の振替え」に関する規定は必ず設けて下さい。休日の振替えとは「当初の休日(働く義務のない日)を他の日に振り替えることで、当初の休日を労働日(働く義務のある日)に変更すること」をいいます。当初の休日を労働日とすることで、休日労働に係る割増賃金の支払いを回避することができます。

(3) 冠婚葬祭を付与事由とする休暇は、会社の体力に応じて設定して下さい。これらの休暇は、必ず与えなければならないというものではありませんが、就業規則に明示したときは、会社に付与義務が生じます。導入に際しては十分に検討をして下さい。
就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 定年や退職に関すること 】
(1) 定年年齢は必ず定めて下さい。定年年齢を定めないときは、会社は従業員から退職の申し出があるまで退職させることができません。そのようなことは現実には無理でしょうから、定年年齢は必ず定める必要があります。

(2) 従業員が退職するときは「引継ぎ」を行う旨を定めて下さい。もちろん、会社は引継書の整備、後任者の選任等の対応をしなければなりませんが、従業員が退職した後の業務を円滑に進めるためには、退職者の引継ぎ義務を明らかにする必要があります。

(3) 従業員が退職するときは「守秘義務に関する誓約書」を提出させるようにして下さい。誓約書の提出は、秘密の漏洩に対する損害賠償の請求を約束するものではありませんが、秘密の漏洩を防止するという観点からみて、誓約書は提出させる必要があります。
就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 解雇に関すること 】
(1) 解雇事由は、想定されるもののすべてを列挙して下さい。解雇は、列挙していない理由を以ってすることは困難と解されているためです。

(2) 懲戒解雇となるおそれがある場合は、その決定が下されるまでの間、従業員を自宅に待機させる旨を定めて下さい。懲戒解雇となるおそれがある従業員が通常勤務をすると、他の従業員の士気に悪い影響を及ぼすためです。
就業規則を作成するときのポイントは何でしょうか?【 制裁に関すること 】
(1) 軽微な制裁事由該当行為であっても、その行為が反復して行われたときは更に重い制裁を課すことを明示して下さい。職場規律の乱れは、ささいな行為の繰り返しにより発生するものだからです。

(2) 「列挙した制裁事由に類似した行為」をしたときについても制裁を行う旨を明示し下さい。制裁事由は、そのすべてについて列挙するのが好ましいのですが、現実にはそのようなことはできません。会社が想定し得ない事由についても対象とするために、類似行為が行われたときにも制裁を行う旨を明示します。
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